第94回 全国高校野球選手権大会は、毎日熱戦が繰り広げられていますが、石川代表の遊学館は、大会5日目(12日)の第3試合で登場します。
初戦の相手は優勝候補の光星学院(青森)。いまさら説明も不要ですが、昨夏と今春の甲子園準優勝チーム。昨年夏のメンバーである天久、田村、北條、城間の四人は現チームでも主力でチームを引っ張る。
中でも、三番・捕手の主将田村は、県大会打率.462と好調。ホームランを打てるスラッガーながら、大振りせずにセンター中心に確実なバッティングをする。続く四番北條も注目のバッター、県大会では2本塁打。五番武田、六番城間も勝負強いバッター。トップの天久が出塁して、クリーンナップに回ると苦しい展開になりそう。その他の打者も踏み込んで思い切りスイングしてくる、投手にとっては脅威の打線となりそう。
投手陣は、城間と金沢の右の二枚看板。
城間は、バッターのアウトコースギリギリに投げる回転のいいストレートと、低めに決まるキレのある変化球が特徴。大崩れすることなく大量得点は難しい。31イニング投げて、与四死球5と非常にコントロールの良い投手。
エースナンバーをつける金沢は制球力はいまひとつだが、しっかりした下半身から繰り出されるストレートは球威十分で三振をとれる投手。
強力打線の光星学院に対して、遊学館は、黒萩・平井翔の両投手の出来にかかりそう。黒萩は星稜戦のときのようなかわすピッチングでゲームを作り、平井翔へ繋いで競り合いに持ち込みたい所。右の強打者が多い光星学院に対して、平井翔で勝負をかけるか。いずれにせよ、県大会でズバズバ的中した山本監督の投手起用はカギになりそう。
遊学館も主将で捕手の小林がキーマン。相手の田村には決して負けていない、高校通算50本塁打のスラッガーで、長打力とチャンスに強いバッティングは遊学館の原動力。小林と同じく2年前の甲子園を経験しているトップの谷口は、走攻守3拍子揃った好選手。谷口が出塁して小林に繋ぐのが遊学館の必勝パターンでもあり、攻撃ではこの2人はかかせない存在。
また、山本監督は好調な選手をどんどんスタメンに起用してくるので、小林の前後を打つ選手に注目したい。黒萩、北口、大瀧あたりが好調であれば、十分爆発力は期待できる。
城間投手は、コントロールが良いので、エンドランのサインは比較的出しやすいのではないか。積極的にしかけて、球種の多さに惑わされることなく思い切ったバッティングをしてほしい。
大舞台での経験も実力も相手が一枚上だが、初戦の入り方はどのチームも難しい。投手陣の出来次第では十分チャンスはある。
多くの大観衆は光星学院の野球を期待しているだろうが、その期待を裏切るような大物食いをして、甲子園初戦無敗記録を今回も伸ばしてほしい。
遊学館もいつか全国優勝するチームへ。いつかではなく山本監督には高校で地区予選優勝するだけのチームでいてほしくない。日本一の監督でいてほしいです。