春季県大会

第138回 北信越高校野球石川県大会(春季)展望

投稿日:2018-04-10 更新日:

4月21日(土)から第138回 北信越高校野球石川県大会が始まる。今年は石川開催のため、準決勝に進んだ4チームが北信越大会に出場する。組合せ抽選会は4月13日(金)、決勝は5月6日(日)。この春のセンバツに出場した航空石川と星稜を軸に石川の春が繰り広げられる。

今年も指導者の体制に変更があった。金沢商の丸山監督が寺井へ異動し副顧問として野球部に携わる。金沢商へは松任から熱血漢・竹内監督が母校に帰って指揮をとる可能性も。松任へは桜丘の鈴木部長と東雲で以前監督をしていた畑氏が赴任した。また、桜丘の古豪復活に貢献した笠間コーチは金沢学院へ。名門・金沢は秋からではあるが、武部新監督になってこの春2試合目の公式戦を迎える。これらの指導者の異動によってチームにどう影響してくるのかも見どころとなる。

 

優勝候補はセンバツベスト8の航空石川と星稜

この春のセンバツ大会では日本航空石川と星稜が共に2勝を挙げベスト8進出と躍進した。この2校を中心とした大会になるのは間違いない。

昨秋の石川を制した星稜、センバツでは3回戦の近江戦でサヨナラ勝ちして1995年以来23年ぶりのベスト8に進出。3試合で24得点と課題だった打線が奮起した。近江戦では延長10回2死から南保のヒットと奥川のサヨナラ打。三重戦は3点ビハインドの8回に追いつくなど、6点差をひっくり返した昨秋の石川大会同様、粘りの星稜は健在だ。エース・竹谷は思うような投球はできなかったものの、投手としても打者としても実力者であることは間違いない。センバツで投打に活躍した奥川と、打率6割の強肩捕手・山瀬の2年生バッテリーからも目が離せない。打率5割超の南保、走攻守三拍子そろった鯰田などを擁して2季連続の優勝を目指す。

昨秋の北信越大会を制した航空石川は、センバツでは原田の劇的な逆転サヨナラホームランで明徳義塾を下すなど初出場ながらベスト8に進出。自慢の打線は影を潜めたが、逆転サヨナラホームランを放った原田、左の大砲・上田を中心とする強力打線は今年も健在。投手陣では、左の杉本が甲子園では素晴らしいピッチングを披露、明徳義塾・東海大相模を相手に巧みな投球が光った。昨夏の甲子園も経験した力投型の大橋は140キロ超の直球とチェンジアップが持ち味。2年生の重吉はクレバーな投球が光る。選手層の厚いチームだけに、この春は2年生の中川や前田が主戦として活躍する可能性も。

秋ベスト4の金沢学院と小松

昨秋は3位決定戦で小松を倒し北信越大会に出場した金沢学院は、遊学館に競り勝った北陸学院にコールド勝ちするなど一気に飛躍した。1年生大会でベスト4のメンバーである3年生が中心となり、絶対的エースの田中に強肩強打の捕手・中、二遊間に守備力の高い矢富、吉川を置くことで、センターラインの形成はしっかり整っており、守りでリズムを作って攻撃へと繋げる。

小松は1年生エース・小川の力投と、ここ一番の集中力で粘りをみせる打線がマッチして秋はベスト4入り。越智監督から引き継いだ初年度の夏にベスト8入りと、いきなり手腕をみせた吉田監督が3年目の春を迎える。

2強の牙城を脅かすか 秋ベスト8

ここ近年、安定の成績を残している北陸学院に注目したい。秋は3試合連続ホームランのスラッガー宮本だけではなく、岡本の長打力にも魅力がある。このふたりを差し置いて4番を打つ木戸や2年生で守備に定評のある栂木、身体能力の高い松本寛太らがひと冬を越えた姿が楽しみ。投手陣ではこの松本が小堀と小竹の二枚看板に割って入る存在になれば、チームとしてもう一段階上に登れる。
桜丘は、好打者高井、茶木を中心とした打力が格段にアップした。あとは投手陣の整備が課題、2年生の谷内季成に注目したい。
飯田は不動のエース左腕・木挽の粘投で打線の援護を待つ。昨秋は星稜をあと一歩のところまで追い詰めた。得点力が上がれば大物食いも期待できるチーム。
秋はエース・上島が鵬学園を完封して勢いに乗った羽咋。競り合いに強く全員野球でさらに上を狙う。

その他の注目校も上位進出を狙う

金市工は、本命視されていた金沢相手に3失点完投した左腕・堀田を擁して上位を狙う。松任は延長15回と再試合も一人で投げきった長松が中心。他には、津幡の戸部、大聖寺実の松浦、泉丘の海口など好投手を擁するチームも注目。春の練習試合で遊学館や金沢相手に接戦を繰り広げた羽咋工も力をつけてきた。春から校名変更した金沢龍谷(旧尾山台)は、青山監督が3年目の采配をふるう。

ノーシードから2年連続頂点を目指す 名門・金沢

ノーシードの注目はやはり金沢だろう。昨年は春の県大会で優勝、北信越でも準優勝するなど実力はある。秋には夏のメンバーをほぼ残すチームで監督交代して臨んだが、金市工相手に初戦敗退。しかし1年生大会では星稜、小松大谷を撃破して優勝するなど逸材は多い。この優勝メンバーと、もともと実力者が並ぶ3年生(1年生大会準優勝)とがうまく融合すれば、航空石川や星稜にも見劣りはしない。春の練習試合で高岡商から二人で17奪三振を奪った向井、大筆の2枚左腕の快投が期待される。武部監督の手腕で私学三強の面目躍如なるか。

3年ぶりの春制覇を狙う遊学館

練習試合では打ち勝つ野球で勝率は7割を超える(4月1日現在)。昨秋は3回戦で北陸学院に悔しい負けを喫した遊学館だが、春の覇者奪還を虎視眈々と狙う。その遊学館の課題は投手陣。昨年には投手コーチを迎えて投手陣の整備を始めたが、練習試合などではまだこれといった成果は出ていない。夏に向けて期待したい。打撃陣は練習試合を見る限りではかなり期待できそう。5点取られたら6点取れる打線に成長したように感じる。秋から打撃に片鱗を見せ、この春爆発している田中(3年)が練習試合解禁から満塁や逆転サヨナラ含む7本のホームラン、打率も5割超えと絶好調である。公式戦でもこの打撃ができれば本物。田中だけだはなく、長打力のある高谷(3年)や佐藤(2年)にもホームランが出ている。トップバッターの伊藤(3年)も好調をキープしているのも大きい。上位から下位まで切れ目ない打線が仕上がりそうなのは冬の練習の賜物。調子の落ちてた細呂木(2年)を西屋(3年)がカバーしてきたが、ここにきて細呂木にも当りが戻ってきている。怪我で出遅れている牧野(3年)、西谷(2年)のキャッチャーが懸念されたが、関西遠征ではその穴を埋めた橋場(2年)の急成長が収穫である。この春エースナンバーを背負うのは安定感の出てきた渡邉竜(3年)か、それとも秋絶好調だった井川(3年)か。
新戦力では、今年は県内外から27人程度が入部した。投手には先を見据えて、速球派の髙田か制球力の布施を春から入れるのも面白い。野手陣でも即戦力の松本や武田なんかも早くから経験させたい存在だ。

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