20日に開幕する第140回 北信越高校野球石川県大会(春季)。組み合わせ抽選は12日に行われ、優勝校・準優勝校は6月1日から富山県で開催される北信越大会に出場する。
夏の前哨戦となる本大会だが、今年も頭一つ抜けているのが県大会4季連続優勝、春の北信越は3連覇中の星稜だ。昨秋の県大会、北信越大会ではほぼ敵なしで優勝し神宮大会でも準優勝。センバツでは2回戦敗退だったが、優勝候補に挙げられるなどその実力・戦力に変わりはない。絶対的王者の星稜を脅かすのはどのチームか。
強力打線で王者復活を狙う航空石川をはじめ、意地を見せたい強豪私立勢
昨秋は2回戦で敗退したが、エース・重吉の復活で巻き返しを図る航空石川。重吉に加え、まだ2年生ながら投打でチームを引っ張る嘉手苅の存在も大きい。攻撃陣では中川、早田の1、2番コンビが強力。早田は体こそ大きくはないがパンチ力がある。秋は2試合でチーム合計14の長打を放つなど打線の破壊力は県内1と言える。
先日の小松市招待試合で、大阪桐蔭を相手に存在感をアピールした小松大谷。山根、横山のバッテリーや、2年生の服部、中津にも注目。この世代には県外組も多く、うまく波に乗れば一気に上位進出を狙えるチーム。5年ぶりの北信越大会を目指す。
名将・浅井監督が率いる鵬学園は、昨秋は3位決定戦で破れたものの見事ベスト4に進出した。やはりエース・米田の出来次第か。2年生の備後あたりがスタメンに入れば面白い。
金沢は2年時から正捕手で経験豊富な尾野が打の中心。東又、辻本、小寺の投手陣をどうリードするか。実力のある1年生が多く入部しているだけに新戦力にも期待。伝統校として昨春ベスト4以上の結果を出したい。
金沢龍谷は、好投手・平魯やセンスのある橋など力のある選手も多く、うまくハマれば上位進出も狙えるチーム。フルスイング打線で8強の壁を破れるか。
強豪私学の牙城を崩そうと目論む文武両道の古豪にも注目
昨夏ベスト4の小松は、春の練習試合で星稜に続いて遊学館も小川ー町谷の投手リレーで撃破した。どちらの試合でも4番・上田が2ホーマーを放った。昨年までは好投手・小川のチームという印象だったが、今年は打力も充実している。去年から主力だった彼らがチームを引っ張り上位を目指す。
泉丘の寺下は変化球のコントロールが抜群で、航空石川を撃破した秋の立役者。さらに大型クローザーの速球派・海口も控えており投手陣は万全。持ち前の粘り強さで昨秋に続き春も金星を狙う。
桜丘の谷内は春の関東遠征でもホームラン放つなど活躍。去年は怪我で思うような活躍はなかったが、ラストイヤーに花を咲かせたい。投手陣の整備が整えば上位復活も。
秋3位の小松商、名将復活の小松工、豊富な投手陣の金沢商なども上位候補
14年ぶりに昨秋の北信越大会に出場した小松商は接戦をものにする粘り強さがある。投手陣は、右の北に左の塚本、そしてピンチでも物応じせず淡々と投げきる2年生の寺瀬も控える。
小松工は2000年夏に甲子園へ導いた名将・中野稔監督が再び古巣の指揮を執りその采配が注目される。
金沢商は昨夏4強の投手陣がすべて残り投手陣は万全。右の惣田、村井に左の川田は昨年からの主要メンバーで、3年生となる今年の投球が楽しみ。さらに2年生の甲斐も加わり厚みをました。伝統の堅守に磨きをかけて全員野球で挑む。
1年間のブランクを経て監督に就任したであろう、チーム作りに定評のある丸山監督率いる寺井。2年生から正捕手の依光が、走攻守抜群の荒木や長距離バッター中條らの若いチームをまとめる。
特有の集中力を発揮して爆発力のある津幡は、センスのある野坂や野手だけでなく捕手も兼ねる張田、エースの松田など今年もクセのある選手が揃い上位候補。
県工は投打の柱である向や上不に加えて、2年生で頭角を現す松田投手にも注目したい。
他では、秋は小松の小川と投手戦を演じて投げ勝った飯田の左腕・角、門前の端、鶴来の投打の中心・下、大聖寺の竹野、錦丘の丸山、杉本、輪島の川崎などの好投手にも注目したい。
2季連続の北信越大会出場を目指す遊学館
昨秋7季ぶりに北信越大会に出場した遊学館。当然、この春は優勝して勢いをつけて夏に臨みたい。
例年とは違い豊富な投手陣だが、裏を返せばエース不在とも言える。ここで一本立ちして欲しいのが2年生の髙田。中学時代に全国を経験しているだけありゲームメークする能力は高い。3年生では左の岡田が安定感あり。右の保科や畑中に期待したいが、架谷や下出もなかなか調子がいい。2年生では布施に急成長の清水逸もいい。ベンチに入ってくる投手はギリギリまで分からない。
野手陣に関しては練習試合ではよく振れている。長打率も高く、先の平安戦でも好投手から8得点を奪っている。そして2年生からも佐々木や寺田など、ひと冬越えて成長著しい選手も多い。秋とはまた違うメンバーも何人か入るだろう。そして新1年生もベンチ入りする可能性がありそうだ。